ひとつの空間にあるふたつの国同士の潜在意識

前回までの記事でタイワニーズボーイとロシアンガールについて書きましたが、わたしがその2人と仲が良かったから、3人で遊んだりもしていたんですが、あるときタイワニーズボーイがわたしと2人の時に戦争について話はじめ、こんなことを言ってきました。

「The war happen between the China and Taiwan in nearly future I think. And if that will happen, Taiwan will lose. Because.. Japan is always caring Taiwan, But America and Russia is China’s bestie.」(近い将来に中国と台湾は戦争になると思うんだ。そして、もし本当にそうなったらきっと台湾は負ける。だって、日本はいつも台湾の見方でいてくれているけれど、アメリカとロシアは中国と仲間だから。)

これを聞いたときにすごく混乱しました。ロシアンガールと接することが、彼的にはいい気持ちがしなかったんだとわたしは何も知らず。。

「I didn’t meant “I hate her.” She is nice, but I don’t know why I am thinking about that every time when I see her.」(“彼女の事が嫌い”っていう意味ではないんだ。彼女はいい子だよ。でも、なんでかわからないけど、彼女と会うたびにそれを考えちゃうんだ。)

ロシアンガールはロシアンガールでわたしと2人の時に同じようなことを言っていました。

「Taiwan.. I’m not hate him, but I don’t like that country.」(台湾。。彼のことは嫌いじゃないけど、あの国はあんまり好きではないかな。)

潜在意識ってすごいなって純粋に思いました。そして、誰も何も悪くないのに、国同士の関係が原因となって人間同士の関係でさえも揺らがせてしまうことに、なんだかとても大きな寂しさを感じました。お互いものすごく魅力的で素敵な人間性をこんなに持っているのに、なんで素直に友達になれないんだろう。

友達のスタートラインの時点でマイナスポイントとして性格でも人柄でもなく 《国籍》 が反映されちゃうなんて絶対におかしい。それを聞いたときわたしは何も言えなくて、なんて答えていいか分からなくて、頭の中がぽかーんとしていました。だってあんなにギラギラした彼の目を見たことなかったし、本当に私は平和な環境で、いろんな意味で安全な国でぬくぬくと育ってきたんだなーと。

2人ともが大好きで大切な友達だから、どっちのことも嫌いになって欲しくなくて、でもだからといってわたしが何かできるわけでもなくて、ただ自分の中で無限に考えていただけでした。

同じクラスで、たった20人程しかいないひとつの空間に、無意識の敵対心や敵意が確実に存在していて、毎日笑顔であいさつしていたのに、その笑顔の裏にはそんな感情がお互いに隠れてたんだなって思うと心がずんと重くなりました。

台湾の人って自分の国に誇りを持っているし、 「僕たちは中国人じゃない。中国なんかと一緒にすんな。」 ってプライドも高いから、そういう面でアイデンディティを保っているのがすごく印象的でした。恋愛で相手を選ぶとき、 “わたしは何よりも中身よ” ってわたしたちは言えるけど、いろんな民族が入り混じってて、いろんな言語や宗教や価値観が共存している国の中では “何を差し置いても中身” って言葉だけじゃ通用しないこともあるんだな、なんて思ったり。

どうにもできないことだけど、とってもとっても考えてさせられたエピソードでした。 

台湾人とその特徴について

イギリスでわたしが通っていた学校の学生の色彩食はとっても豊かで、1クラス20人程度の空間には様々な国籍が入り混じっていました。イスラム教についての記事でサウジの友達について書きましたが、ちょっと面白いかな、と思うので、その時から今でも繋がりがあるいろいろな国の友人たちについても、今後書いていきたいと思います。

今回は、タイトル通りなのですが、台湾人の友達について書かせてください。本当に素敵で大好きで、今でも仲良しです。彼とは入学日が割と近くてクラスも一緒。そこからちょっとずつ話すようになりました。

台湾人とその特徴について。

みんなが思う台湾のイメージって 【親日】 ってことかな?わたしは親日ってことすらも知らないくらい世界に対して本当に無知だったので、いろいろ知っていくうちに感じることが、他の人よりも大きかったように感じます。お恥ずかしながら、台湾って “中国の中の都市の名前?” くらいに思っていたこともありました。

さて。台湾は98%が漢民族だそうで、気候は北は亜熱帯、南は熱帯。宗教の自由が保障されている国で、無宗教の人も少なくないんだって。道教・キリスト教・仏教が多いんだけど友達は無宗教でした。自分の国に誇りとプライドがあるから、中国と一緒にされるのを嫌がる。

家族のことをとっても大切にする人が多くて、家族での行事が多かったり、家族の中での交流がとても深い。友達よりも家族とのかかわりが深い印象です。メンツを気にするからあまり謝らないし、時間にもいい加減。

調べてみて出てくるワードひとつひとつに、なるほどねーたしかになーと頷けることばっかり。ここで書くのは1人についてだけど、今まで出会ったタイワニーズを思い返すと当てはまることだらけ。

その彼は、 「I’m same age as you Coco.」 (Cocoと同じ年だよ)って言うんだけど、日本の考え方でいうと、彼はわたしの1つ年下。というのは、台湾ではお腹にいる時の年から数えるので、産まれてきたらもうすでに1歳。

彼とはご飯食べに行ったりお酒飲みに行ったり、別の友達と4人でパリ旅行にも行ったりしました。イギリスのバンクホリデーっていう日本でいう祝日に、2泊3日でパリへ。その中で、彼は自分の買い物は一切せず、家族1人1人からの “これ買ってきてリスト” を遂行するために奮闘していました。自分のはいいの?と聞いても、 「家族が喜んでくれればいいんだ、みんなはパリには来られてないし。」とのこと。優しい。

時間には基本的に遅れるし、それでも謝らないし、明らかにそっちが悪い時でも言い訳ばっかりだし、でも根がすごくいい人なのが分かってるから憎めないし、笑顔が本当にかわいい男の子で、人懐っこくて、でも大事なところでは男らしく力を発揮してくれる頼れる存在でした。

台湾には徴兵制度があるから、彼も台湾に戻った後は軍隊で1年間過ごしていました。日本人のわたしたちには馴染みがないし考え難いけど、そういう国だから幼い時から戦争についていろいろな考えを持っている彼ら。わたしにはない価値観をたくさん持っていました。

彼はわたしよりも先に帰国することになっていて、彼が帰国する前日を2人で一緒に過ごしました。彼もわたしのことを身近に感じてくれていて、ロンドンでの最後の日を一緒に過ごしたいと言ってくれました。大好きな街でやっているマーケットに行ったりミュージカル観たりして過ごして、電車で最後の会話をした時に、家族や戦争について話してくれて、その目が今まで見たことないくらいギラギラしていたのははっきり覚えています。ひとまず、タイワニーズボーイについてはここまで。